長崎・五島列島の旅 その2(中通島・頭ヶ島・若松島・日島)

国内旅

長崎県西部に浮かぶ五島列島、小さい島もすべてを含めると120以上の島が存在、うち上五島と呼ばれる中通島、頭ヶ島、若松島と日島を訪ねました。

上五島の中心、中通島までは長崎、佐世保から高速船、フェリーが就航、また五島列島内の航路や博多からのフェリーもあり。長崎、佐世保からは高速船では1時間10~25分程度、フェリーでは2時間30~40分程度(いづれも寄港なしの最短の場合)、出発地により到着する港も違うため注意が必要。メインは有川港周辺、飲食店や宿泊施設がありますがそれほど多くはないので観光シーズンには早めの予約が無難かと。有川港周辺以外となると更に選択肢は少なくなります。また島内の移動はやはりレンタカー利用がお薦め、有川港、奈良尾港周辺にいくつかありますがこちらも事前の確認、予約が無難かと。

最初に向かったのは中通島の東にあり橋でつながる頭ヶ島、日本では珍しい石造りの頭ヶ島天主堂をめざします。この天主堂は見学には事前予約が必要です。

頭ヶ島は3分の2が世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ヶ島集落」として登録されています。無人島の期間が長く、江戸時代後期になってようやく流行病の保養地として利用されていた記録があり、その後江戸時代末期に仏教徒と潜伏キリシタンにより開拓が進められました。流行病の保養地として利用されていたことが人々を遠ざけ、役人の目も届きにくかったようです。仏教徒も潜伏キリシタンとうすうす気付きつつ開拓の仲間として受け入れていたのではないかとする考えもあります。そのような背景も考えつつ禁教期を乗り越え、約10年の歳月を費やして建てられた天主堂を眺めてみるのもいかがでしょうか。
続いて島の東部3分の1を占め現在は休港状態の上五島空港を訪ねます。

海に近い山を切り崩して作った空港で天候の乱れが影響し欠航となることが多かったようです。その後中通島に高速船が就航したことで利用客が激減、2006年に定期便が廃止となりました。現在も職員が常駐し活用方法の検討が続けられているようですがなかなか有効な方法は見い出せていないようです。ただ島の人々にとっては災害等非常時には拠り所となり、空港に合わせて架けられた中通島とをつなぐ頭ヶ島大橋という大きなメリットもあったかと。
中通島に戻り海岸美の美しいハマンナ、円錐の巨岩が美しい矢堅目公園を訪ねます。

天候が少しあやしくなってきましたが国指定重要文化財であるレンガ造りの青砂ヶ浦天主堂、赤ダキ断崖を経て中通島の北端にある津和崎灯台へ。

あいにくの天候となりましたが展望台からは野崎島や小値賀島を見ることができます。
天候の回復を願い1日目の予定を終了、有川港の近くに戻り宿泊します。

願いが通じたのか天候が回復、観音岳公園展望所を目指します。何が見えるかというと少し毛色は変わるのですが上五島石油備蓄基地が見えます。

世界初の洋上石油備蓄基地で昭和63年に完成、国内消費量の6~7日分を賄えるとか。今まであまり意識はしていなかったのですが、国内にはこちらを含め石油備蓄基地が10ヶ所あるようで新たな気付きといったところでしょうか。なかなか迫力があります。
今里平家塚に立ち寄った後は橋でつながる若松島、漁生浦島、有福島を通り日島へ。 日島の石塔群を訪ねます。

今里平家塚は源平合戦に敗れ西海に落ち延びた平家一族の10数名が源氏の追手が迫りもはやこれまでと自害、それを哀れに思った地元の人々が手厚く葬った場所とのこと。
日島の歴史や石塔群の建塔背景についてはよく判っていないようですが、国境の島でありかつては海上交易で栄え人々の往来も多かったのだろうと想像できる遺跡かと。
中通島に戻りアコウ樹で知られる奈良尾神社を訪ねます。

このアコウ、日本一の大きさを誇り、樹齢は650年以上といわれ国の天然記念物に指定されています。

今回訪ねたのは中通島と橋でつながっている島々、1日半程度の行程でしたがまだまだ魅力的なスポットがあります。また上五島と呼ばれる地域で考えても他にも訪れたい島々があり、すべてを回るのはなかなか大変かと思います。ご自身の希望に合わせて計画、といったところでしょうか。
美しい海、海岸、弾圧されながらも信仰を守り通した人々の思いを伝える美しい教会、国境の島ゆえの魅力もありお薦めです。(各種交通機関、宿泊施設、レンタカー、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)