信州 真田氏の城を訪ねて

国内旅

真田氏と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。戦国時代、強国に囲まれ危機もありましたが巧みに主家を乗り変え存続したことや大きな兵力差がありながら徳川の大軍を2度退けた上田合戦が知られています。また関ケ原の合戦時には真田昌幸と幸村(昌幸の次男)は西軍に、信之(昌幸の長男、幸村の兄)は東軍につく決断を下した「犬伏の別れ」や大阪の陣における幸村の活躍も知られています。少し前ですがNHKの大河ドラマでも取り上げられました。そんな真田氏が居城とした城跡やゆかりの地を訪ねました。
まずは上田合戦の舞台となった長野県上田市の上田城阯を訪ねます。
アクセスは上田駅から徒歩12~13分、車利用の場合は上信越道上田菅平ICから15分程度で着きます。城跡は公園として整備されており、駐車場も複数(有料)あります。
東虎口櫓門の手前に真田石があります。

真田石は城内で最も大きな石で伝説も残っているようです。東虎口櫓門をくぐると本丸跡があります。

上田城は関ケ原の戦いの後徳川方により跡形もないよう破壊されたようです。徳川家にとって2度も苦渋を飲まされた上田城をそのままにしておくことはできなかったのでしょう。上田城は真田氏のあと藩主となった仙石氏により再興され現在残っている遺構はこの仙石氏の時代によるものが大半のようです。
本丸の横に眞田神社があります。

眞田神社は真田氏と仙石氏、松平氏という歴代上田城主を御祭神とする神社で初代城主の真田氏の名を冠しているとのことです。大きな幸村の兜があり撮影スポットになっています。
眞田神社の後は二の丸北虎口や堀を巡ります。堀には角に隅欠(すみおとし)といわれる構造が見られます。

隅欠(すみおとし)とは鬼門の方位の建物等の角をなくすことで、木が生い茂り少し分かりにくいですが堀が内側にえぐれたような構造になっています。この隅欠といわれる構造は各所に見られ、鬼門を除ける強い意識が見られるようです。
最後に現在通路となっている二の丸の堀のあとを見学します。

上田城の堅い守りに役立っていた堀のあとで昭和初期から電車が走っていたようです。その後電車は廃線となり現在のけやき並木の通路となったようです。時代の移り変わりを示しており興味深いです。
城跡を出て城下町を少し散策します。古い街並みが残る旧北国街道の柳町というところを歩きます。

格子造りや蔵造りの家が連なっています。のんびりと散策してみるのもいいのではないでしょうか。
次に真田氏が上田城に移る前に本拠としていた真田氏発祥の郷を訪ねます。こちらは車でないと正直厳しいかと思われます。車利用で上田駅あるいは上田城阯から20分程度、駐車場は複数個所整備されています。
真田氏歴史館を訪ねます。

真田氏ゆかりの品々が展示されており興味深かったです。歴史館の隣が上田城を築城する前の居館跡とされるところで御屋敷公園といわれる公園になっています。土塁のあとが残っています。

御屋敷公園の次は真田氏本城跡を訪ねます。御屋敷公園から歩く選択肢もありますが頂上近くまで車で上れるようなので無理をせず車で移動します。10台程度可能な駐車場があります。
熊目撃情報の看板があるため鈴をつけて用心深く歩きます。

真田氏の本城として機能していたかどうかははっきりしないようですが規模も大きい山城でこう呼ばれているようです。
最後に少し離れますが長野市にある松代城跡を訪ねます。
アクセスは車利用の場合上信越道長野ICから5分程度、上田城阯から高速を使えば40分程度で着きます。交通機関利用の場合は長野駅からバス利用になります。

松代城は関ケ原の合戦で勝利した東軍についた真田信之がその後上田から移封され居城とした城。以来明治維新まで真田氏が松代藩主を務めました。「犬伏の別れ」で親子兄弟が別れて戦うことになりましたが結果真田家を存続させられました。父、弟が敵方にいたことから謀反を疑われることもあったと思いますが巧みに乗り越え後世につないでいった信之も策士であったと言えると思います。
明治維新後は廃城となり一部門などが再建されたのみですが父、弟を敵として戦った信之に思いを馳せるのもいいのではないでしょうか。
海津城址之碑があります。

この松代城、元々は武田信玄が上杉謙信の攻撃に備えるため築城した海津城といわれた城。戦国時代に興味のある方ならご存知かと思いますが、北に支配地域を広げていく武田信玄のいわば最前線の城で両者が激突した川中島の戦いの舞台となった城。近くには川中島合戦ゆかりの地があります、併せて訪ねられてもいいかと思います。

真田氏の城やゆかりの地を訪ねました。真田氏と聞くだけで何となく歴史ロマンを感じてしまう人気の高い一族といえます。紹介した城跡やゆかりの地を訪ね真田一族を感じてみてはいかがでしょうか。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)