播州赤穂 坂越を訪ねて

国内旅

赤穂浪士の城下町として知られる兵庫県赤穂市、その城下町とは少し離れたところに同じ赤穂市に属する坂越という港町があります。天然の良港で古くから海上交通の重要な役割を果たし、江戸時代からは北前船の寄港地として大いに栄えました。坂越の文化財が日本遺産の構成文化財に認定されています。そんな坂越を訪ねました。
アクセスはJR赤穂線坂越駅から徒歩で20分程度、車利用の場合は山陽道赤穂ICから25分程度で旧坂越浦会所前に駐車場があります。
駐車場に車を駐め歩いて回ります。駐車場の横が広場になっていますがとうろん台が目に入ってきます。

説明書きによるととうろん台は船舶に海洋気象を知らせる施設で当時のものを縮小再現したものだそうです。
とうろん台の前に旧坂越浦会所があり会所の少し先から「坂越大道」と呼ばれる道が内陸の方に向かって通じています。

会所は行政や商業の事務を執ると同時に赤穂藩の茶屋としての役割も持っていた建物。資料なども残っていて中を見学できます。
坂越大道は海岸線から垂直方向に通っていてそれに合わせて町も形成されたようです。港町は海岸線に沿って開けているところが多いようですが坂越は内陸の方に少し進むと千種川という川が流れていてこの川の物流も活用するためといわれています。なるほどと感心させられます。
大道を歩いていくと大道井という井戸の跡がありさらに進むと坂越まち並み館があります。

大道井は人々の生活を支えてきた古い井戸で大切にされてきたようです。
まち並み館は銀行として使用されていた建物で現在は資料館兼観光案内所になっています。銀行時代の名残でしょうか中に大きな金庫室があります。
まち並み館のとなりには妙道寺というお寺があります。

さらに内陸の方に進んでいくと木戸門跡があります。

港の入り口として木の門がここにあったようで門番も置かれていたようです。周辺は広場になっています。
門跡から大道を港の方に戻ります。旧坂越浦会所まで戻りさらに進んでいくと大避神社の参道が見えてきます。

渡来の氏族秦氏の子孫で坂越の港を開いたと伝わる秦河勝を祀る神社。秋に行われる「坂越の船祭り」は盛大で国の重要無形民俗文化財に選択されており、瀬戸内海三大船祭りの一つに数えられています。境内に祭りで使用された船が置かれています。
大避神社の隣が坂越浦城跡で広場になっています。

説明書きがありますが、坂越浦城は中世に築かれた城で赤松家の家臣が居城していたとされています。また少し先の丘には魚の群れを見る小屋があったようです。
坂越浦城跡から茶臼山の頂上近くにある茶臼山城跡を目指します。しばらく上ると妙見寺という真言宗のお寺があります。

懸造(かけづくり)の観音堂からは坂越湾が見渡せます。
観音堂から少し歩くと遥拝所と児島高徳の墓があります。

児島高徳は鎌倉末期から南北朝時代にかけて活躍した武将で後醍醐天皇に対して忠節を尽くし南朝の忠臣とされる人物。戦いで傷を負い妙見寺で療養したと伝わっているようですが、記録がほとんどないためよく判ってはいないようです。後醍醐天皇と高徳は奈良県吉野の神社に祀られていますがそちらに向けて遥拝所が作られたようです。
さらに上っていくと妙見寺の奥の院があります。

奥の院からさらに頂上目指して上ります。
この茶臼山には石仏巡礼コースという遊歩道と車も通れる舗装された道があります。巡礼コースの方は距離は短そうですが傾斜がきつく少し歩きにくいところもあるようなので舗装された道で上ることにしました。

頂上まであと少しというところに和田一族の五輪塔(墓所)があります。

説明書きによると、和田範長は児島高徳の義父で後醍醐天皇方として戦いましたが力尽き一族5名自害討死したとのこと。
五輪塔から少しで城跡に到着します。

茶臼山城は1441年嘉吉の乱で赤松満祐を滅ぼした山名持豊(宗全)が赤松氏の残党の襲撃に備えて築城したと伝わる城。詳しいことは判らず遺構もないようですがここからの坂越湾の眺めは素晴らしいです。大きく湾曲した入江や波を防ぐ役割を果たしているといわれる生島の様子がよく分かり、坂越が天然の良港だったというのが頷けます。
城跡からの眺めを堪能した後は上ってきた道を下り旧坂越浦会所まで戻ります。

会所の前の広場まで戻りあらためて城跡を見上げます。また海の方を眺め波よけの役割を果たしている生島をもう一度見て行程を終了します。頂上近くの城跡までを含め3時間程度で十分回れるかと思います。
赤穂市の坂越を訪ねました。天然の良港で北前船の寄港地として栄えた坂越、風情ある街並みが残り当時を偲ぶことができます。また中世の城跡や武将たちの墓所などもあります。船による物流が栄えた時代を感じることができ、また争乱の時代に活躍した武士たちの思いが伝わる坂越を訪ねてみてはいかがでしょうか。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください。)