織田信長が使用した印判の文言「天下布武」の天下は「日本全国」を意味すると考えられてきましたが、「京とその周辺地域」を意味するとの解釈もあります。天下の範囲が変われば「天下人」の意味も変わってくると思いますが、信長が室町幕府15代将軍となる足利義昭を奉じて京に攻め上る前、京とその周辺を支配し一大勢力を築いた武将がいました。それが三好長慶で近年評価も高まり「信長より早かった天下人」とも言われています。その長慶が居城とした飯盛城址(大阪府東部、四条畷市及び大東市)を訪ねました。
飯盛城址があるのは大阪府東部、四条畷市及び大東市。JR学園都市線野崎駅又は四条畷駅から歩くのが一般的かと。今回は四条畷駅から四条畷神社を経由して上り野崎観音(慈眼寺)に下るルートを選択、駅から10分程度で神社に到着します。




階段を上ったところに人形が設置されており案内板を持っています。地域活性化を目的とし、四条畷市出身の絵本作家の方が中心となって行っている「100にんのサンタクロース」プロジェクトによるもので「金雲(きんうん)サンタ」というそうです。サンタも色々というところでしょうか。
この神社には南北朝時代に活躍した楠正行(楠正成の嫡男)を祀っており境内には有名な「桜井の別れ」の像があります。正行は父正成同様智略に優れた南朝方の武将として活躍しますが、四条畷の戦いで幕府の大軍の前に力尽き戦死しました。
金雲サンタの持つ案内板に従い城址を目指します。




登山道は比較的整備されており危険を感じるところはありませんでしたが、結構きつい上りが続きます。30~40分で史跡碑のある平らなところに到着します。頑張って登ったご褒美でしょうか、眺めはすばらしく大阪平野から京都方面まで一望できます。


当時とは景色は違いますが、長慶もここから大阪平野や京都方面をながめていたのだと思うとロマンを感じます。
堀切の横をとおり少し歩くと御体塚があります。


長慶はこの城で死去、その死は外部に秘せられこの岩場に埋葬されたと伝わっています。周辺は石垣で固められています。
更に進むと本郭、高櫓郭に到着します。




飯盛山の頂上で展望台があり、飯盛城や長慶についての説明書き、城址石碑、楠正行像があります。
ここからは下りになりますが上ってきたルートに比べれば比較的緩やか。堀切や石垣の遺構が確認できます。




都会に近い山の上らしくNHKの送信所もあります。このあたりが最大の面積をもつ千畳敷郭と呼ばれる郭で、長慶は茶会や連歌の会を催したとの記録があり、この千畳敷郭で催されたのではないかと言われています。確かに広々とした空間です。


千畳敷郭を通り抜けると城の出入り口にあたる虎口の遺構があります。


石垣で構えられたものですが、飯盛城は中世の山城としては珍しく石垣が多用されており長慶の時代に整備されたものが多いようです。
虎口を出て野崎観音の方に下っていきます。登山道(七曲りコース)は一部歩きにくいところもありますがだいたい整備されています。




野崎観音の手前に野崎城址があります。飯盛山の南西の尾根に該当し最も突き出しているところで、眼下の東高野街道(京都から高野山への参詣道として用いられた道)を掌握できる要衝の地。南北朝時代の四条畷の戦いにおいても北朝軍が陣を敷いたとの記録があり、飯盛城が本格的に整備された16世紀中ごろからは出城としての機能を有していたようです。
少し進むと鎌倉時代に建てられたとされる石造九重層塔がありさらに進むと野崎観音に到着します。




石造九重層塔は風化のため刻まれている文字の全文は読み取れないようですが、大陸からの渡来人の子孫と考えられこのあたりの有力者であった秦氏が関係しているようで、北河内最古の層塔だそうです。野崎観音は正式には福聚山慈眼寺といい、江戸時代より浄瑠璃や歌舞伎の舞台として登場、「野崎の観音さん」として周辺人々の信仰を集めてきたお寺です。野崎観音からJR学園都市線野崎駅まで10分程度で着きます。
今回は四条畷駅から出発、四条畷神社経由で山の北側から上り(四条畷神社コース)、南にある野崎観音に下るルート(七曲りコース)で訪ねました。南側(七曲りコース、今回は下り)の方が傾斜は緩く歩きやすいと思いますが逆方向を選択した場合は上りは少し楽になりますが下りがかなり急になるかと。ご自身の体力と経験を踏まえて判断願います。また他のルートもありますが案内板に「急傾斜」等の注意書きがあるルートは避けた方が無難かと。分岐点では案内板をよく確認(目立つような書き方をしていないことが多い)されることをお薦めします。
起点となるJR野崎駅、四条畷駅までは大阪市内中心部から30分程度、どちらの駅からも徒歩10分程度で登り口に到着します。そこから頂上までは個人差もありコース、歩き方にもよりますが60分程度といったところでしょうか。
アクセスは良好、「信長より早かった天下人の城」是非訪ねてみてください。(各種交通機関、道路、ハイキングコースや各施設等の情報については公式HP等で最新のものをご確認ください)