奈良 奈良町界隈を訪ねて

国内旅

奈良といえばやはり東大寺、興福寺、春日大社といった奈良公園エリアが人気スポットといったところでしょうか。近年は外国人観光客の姿も増え雰囲気も変わりました。その奈良公園の近く、近鉄奈良駅の南側に奈良町というエリアがあります。奈良町という行政町名はないのですが旧元興寺境内一帯をこう呼び風情のある古い街並みが残ります。そんな奈良町界隈を訪ねました。

アクセスは近鉄奈良駅から南方向に歩けば10分弱でエリアに到着します。近鉄奈良駅には観光案内所があり地図をもらえます。東大寺や興福寺界隈に比べると人は少ないですが近年は訪れる人が増え、おしゃれなカフェやスイーツ屋さん等色んなお店が増えているようです。
まずはエリアの南側まで歩き誕生時を訪ねます。

中将姫の伝説が残る寺で門前に三猿を織り込んだ碑が立っています。残念ながら何の碑か説明もなく文字も読めませんが色んなことを想像するのも面白いです。
歩いていると地図を載せている説明書きや町名の説明書きがあります。

奈良町という町名はありませんが古い町なので各町名にはそれぞれ由来があるようです。これを読みながら巡るのも良いかと思います。
重要文化財の藤岡家住宅の前を通ります。

説明書きによると18世紀後半頃の町家で昭和30年代頃まで商いが行われていた商家とのこと。商家の特徴をよく伝える貴重な文化財のようです。
近くに元興寺小塔院跡があります。

史跡に指定されていますが中は草木が生い茂っています。写真には写っていませんが鹿が住み着いているようです。
小塔院跡から東の方に少し歩くと御霊神社があります。

御霊神社は各地にありますが、御霊信仰により建立されたところが多いようです。その御霊信仰とは政争などで非業の死を遂げた人々の怨霊が祟りとなることを恐れそれを鎮めるために神として祀る信仰のこと。こちらの神社には8世紀に無実の罪で幽閉されその後亡くなった井上皇后や他戸親王他が祀られています。
御霊神社の横に元興寺塔跡があります。

残念ながら門が閉まっていて中に何があるのか分かりませんが、「元興寺」の文字はあります。
元興寺塔跡の次は庚申堂を訪ねます。

江戸時代に盛んだったといわれる庚申信仰を伝えるお堂、由来が書かれています。
庚申信仰は元々は中国の道教における「三巳説」が起源とされています。庚申の日に人の体内にいる三匹の虫(三巳)が体内から抜け出し天帝にその人の罪を報告するとするものですが、日本で伝わる際に色んな形に変化していったのだと想像します。
庚申堂から元興寺に向かいます。

6世紀に伝わったとされる仏教ですが、しばらくは異国の宗教の受容をめぐって対立があったようです。蘇我馬子が排仏派の頭領であった物部氏を打ち破り仏教受容の道を開きました。その馬子が飛鳥の地に設立したのが元興寺の前身である法興寺で地名によって飛鳥寺ともいわれる寺です。710年平城京に都が移されたことからこの寺も新京に移され、名前も元興寺と改められたとのことです。

元興寺は南都七大寺(奈良時代に朝廷の保護を受けた7つの官寺、東大寺、西大寺、興福寺、大安寺、薬師寺、法隆寺と元興寺)の一つとして栄えたようですがやがて衰退していったようです。
境内には講堂の礎石と考えられる石や鎌倉時代から江戸時代にかけて作られたたくさんの石造塔や石造仏があります。
元興寺の南側の通りに出ると吉田家住宅主屋、吉田蚊帳店舗があります。

説明が書かれていますが主屋は明治前期のものとされる町家、店舗は住宅、蚊帳工場、倉庫など様々に使われてきた歴史ある建物とのことです。
吉田家から西に歩いていくと鎮宅霊符神社がありその横にからくりおもちゃ館があります。

からくりおもちゃ館は町家を有効活用したもので、からくりおもちゃに触れて遊ぶことができるようです。
最後に少し離れますが伝香寺という寺を訪ねます。からくりおもちゃ館から西にしばらく歩くとやすらぎの道という広い道に出ます。やすらぎの道を北に向かって5分ほど歩くと到着します。

鑑真和上の弟子が開いたと伝わりますがその後衰退していました。16世紀後半、洞ヶ峠の逸話で知られる筒井順慶の母親が息子の菩提を弔うために再興したとされています。裸形像に実際の着物を着用させた裸形着装像の地蔵菩薩像が有名でまた境内に植えられている散り椿は奈良三名椿の一つとして知られています。
伝香寺からは近鉄奈良駅にもどり行程を終了します。比較的コンパクトなエリアなので3時間もあればゆっくり見て回れる、そんな感じです。

奈良市内、奈良町といわれるエリアを訪ねました。南都七大寺の一つに数えられた元興寺や江戸から明治にかけての古い建物が残る街並みは風情があります。東大寺や興福寺のある奈良公園から近い場所に少し趣のちがうこんなところがあったのかと驚きます。古い街並みを散策し近年増えてきたおしゃれなカフェでゆっくりされるのもいいのではないでしょうか。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください。)