丹波の山城 国史跡八上城跡を訪ねて

国内旅

織田信長より丹波平定を命じられた重臣明智光秀、厳しい戦いを強いられますが見事信長の期待に応えます。少し前になりますがNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」でも信長から賞賛される様子が描かれていました。その戦いの舞台の一つとなった丹波篠山市の八上城跡を訪ねました。

アクセスは舞鶴若狭自動車道丹南篠山口ICから15分程度、JR福知山線篠山口駅からバス便もありますが本数は限られており車利用をお薦め。高城山に築かれた山城で登山口もいくつかあるのですが、春日神社口と野々垣登山口に駐車場があります。7口という記載もありますが案内板で紹介されている登り口は5口、うち藤木坂口からのルートは現在通行止めとなっています。
駐車場のある春日神社口から右衛門コースを上ります。看板に「大河ドラマ」の文言があります。

駐車場は神社のすぐ前にあり、案内板も設置されています。上り始めてすぐのところに主膳屋敷跡があります。

案内板にあるように政治の中心となる館跡のようです。
主膳屋敷跡から整備された登山道を歩きます。

勾配もそれほどきつくないところがほとんどで特に危険と思われるところはありませんでした。当日は霧がでており少々幻想的な中を歩くことができました。
しばらく上っていくと鴻の巣と伝わる少し広がった場所があります。番所が置かれていたようです。

鴻の巣から更に上っていくと下の茶屋丸、中の壇、上の茶屋丸と伝わる場所に続いていきます。

上の茶屋丸から更に進んでいくと右衛門丸跡に到着します。相変わらず霧が出ており頂上からは何も見えないのではとの不安がよぎります。

城主の屋敷跡とされ石垣が残っています。説明書きに全山の連絡や指揮にあたる所とあるように重要な場所であったと想像できます。
右衛門丸跡から更に上っていくと三の丸跡、二の丸跡と続いていきます。

二の丸跡までくればほぼ頂上、神社口からゆっくり歩いて50分程度といったところでしょうか、いっきに視界が開けます。道中いろんなところで霧(場所によっては濃く)が出ていて上っても景色はどうか、などと心配していたのですが逆に雲海がきれいに見えます。たびたび来られるという地元の方も「こんなきれいな雲海は珍しい」とのこと、頑張って上ってきたご褒美でしょうか。
八上城や周辺の城についての説明書きがあります。ここから見える範囲にもこんなに城があったのだと改めておどろかされます。
隣接して本丸跡があり、光秀に敗れ無念の死を遂げた城主波多野秀治の供養塔があります。

本丸跡から一段下がったところに重臣の館跡とされる岡田丸跡があります。東、北方に対する防備に当たったところと伝わる見晴らしのいい場所。今日は雲海が素晴らしいのですが、逆に城を守る立場からすると雲海はありがたくない現象かもしれません。

しばらく見ていると霧が晴れていくのがわかります、本当に運がよかったと感謝です。
岡田丸跡を見学後は下りに入ります。蔵屋敷と伝わる場所や大竪堀が見られます。

飲料用水池の朝路池跡があります。

光秀に敗れた秀治には朝路姫という娘がいましたが落城の際入水自殺したとの伝説があるようです。史実ではない可能性が高いようですが池の印象が変わるのが不思議です。
下りは市の谷コースという小川沿いのコースを選択、上りの右衛門コースに比べ階段は少なく傾斜も緩やかです。ただ上りで歩いた右衛門コースに比べると少し荒れている箇所があるのですが、落ち葉におおわれていて路面の状況が分かりにくいです。大きめの石を踏んで足首を捻ることがないよう注意が必要です。また鉄板の橋が数ヶ所架かっていますが滑るので気をつけてください。
慎重に、ゆっくり下って野々垣市の谷口に到着しました。近くに駐車場が整備されています。

ここからは上りで歩いた春日神社口に向けて山裾を戻ります。一帯は集落になっておりところどころに大河ドラマに関する絵をかいた看板が設置されています。

大河ドラマの放送に合わせて地域を盛り上げようと設置されたのでしょうか、少し見えにくいかもしれませんが「麒麟がくる」の文字が書かれています。
また八上一里塚がありますが、これは江戸時代になって篠山藩が京街道に設置したもの。
ほどなく出発地点の春日神社口に到着です。

光秀の丹波平定の際戦いの舞台となった八上城、堅城とうたわれた山城で光秀が苦戦を強いられた面影も見て取れるかと。また光秀が城主秀治に降伏開城を迫る際、身の安全を保障するため自身の実母を人質として差し出したものの信長により秀治が処刑されたため、母親が磔にされたと記載された資料もあるようです。ただこれは後世に書かれたもので史実とは考えにくいようですがこの城をめぐる戦いが大きな意味を持っていたのではないかと想像できます。
大阪中心部から車利用で1時間半程度とアクセスしやすく、上り下りで違うルートを使い元の場所に戻るとしても歩く時間は3時間程度(歩き方、個人差もありますが)と訪ねやすい山城かと。
江戸時代から篠山藩の城下町として栄え、篠山城跡や伝統的な町並みも魅力の丹波篠山、その郊外にあり天候次第では雲海も見れるかもしれない魅力一杯の山城、是非訪ねてみてください。(各種交通機関、道路や登山道、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)