戦国時代に活躍した上杉謙信、近年の研究では従来とは違ったイメージも出てきているようですが「義の武将」「軍神」と言われる人気のある武将です。その謙信が居城としていたのが日本五大山城の一つにあげられる春日山城で国指定史跡にもなっています。そんな春日山城阯(新潟県上越市)を訪ねました。
アクセスはやはり車利用が便利で駐車場も数ヶ所あります。鉄道利用の場合、えちごトキめき鉄道「春日山駅」が最寄り駅になりますが徒歩だと起点となる謙信の銅像まで40分程度かかります。直江津駅からバス便があり「中屋敷」又は「埋蔵文化財センター」下車で20分程度です。直江津駅からのバスは1時間に1~2本出ており交通機関利用の場合は直江津駅からのバス便利用が負担が少ないと思います。
直江津駅からバスを利用「中屋敷」で下車、城阯に向かって歩き始めると早速 「史跡春日山城趾」の案内板があり、しばらく歩くと「埋蔵文化財センター」に着きます。バスは同じ行先でもこの「埋蔵文化財センター」に寄る便もありますが「中屋敷」から歩いて3~4分の距離なのでどちらでもよいかと思います。埋蔵文化財センターの前に馬に乗った謙信の銅像(目指す謙信の銅像とは別)があります。


更に進んでいくと大手道入口の看板がありますが、大手道の方には進まずそのまままっすぐ春日山神社の方に向かいます。このあたりから上り坂になりますが頑張って上ります。
中屋敷のバス停から20分弱といったところでしょうか、謙信の銅像のある春日山神社前に到着します。


まずは神社に参拝します。参拝を済ませたあとは神社の横にある御屋敷と言われ城主の館跡とされるところから上り始めます。
登山道は比較的整備されていて歩きやすいです。


ほどなく千貫門に到着します。


説明書きにあるように古絵図に必ず描かれている古くから知られている門のようです。
近くに空堀が見られます。


けっこうきれいに残っています。
空堀からすぐのところに虎口があります。


虎口とは城の入口にあたる部分。春日山城は謙信の時代に大幅に拡大されたようですが、謙信より前の時代はここが入口だったのではと推測されているようです。
さらに進んでいくと直江屋敷の跡に到着します。


重臣として支えた直江家の屋敷のあったところ。直江家と言えば謙信の後を継いだ上杉景勝の時代に活躍した直江兼続をご存知の方も多いかと。NHKの大河ドラマでも取り上げられました。
直江屋敷から更に進んでいくと毘沙門堂があります。


謙信と言えば毘沙門天抜きには語れません。自らを毘沙門天の生まれ変わりと称し「毘」の文字を旗印にするなど厚く信仰、ドラマなどでもこの毘沙門堂にこもる様子がよく出てきます。ドラマで見たシーンなどを思い出します。
毘沙門堂から護摩堂の横を抜けると本丸に到着します。




謙信の銅像からゆっくり上って30分弱(個人差はありますが)といったところでしょうか。
本丸からの眺めは素晴らしく、直江津港まで見渡せます。直江津での貿易が謙信の財力に大いに寄与したとも言われています。謙信もここから港を眺めていたのではないかと想像します。
本丸から少し下ると井戸曲輪がありさらに下ると景勝屋敷があります。


山城では水の確保は生命線、この井戸は涸れることなく水をたたえているそうです。山頂に近いこの場所でどのようにして見つけたのかはわからないようですが先人の知恵に驚きます。
景勝は実子のいなかった謙信の養子となり後継者となった人物で豊臣秀吉による天下統一後は豊臣政権で五大老を務めました。
このまま大手道の方に下っていくルートもあるのですが本丸に戻り二の丸、三の丸と下っていくルートを選択します。




三の丸には謙信の後継者争い(御舘の乱)で景勝に敗れ非業の死を遂げた上杉景虎の屋敷や米蔵があったようです。
三の丸からしばらく下ると舗装された道路に出、さらに下っていくと起点となる謙信の銅像に戻ります。途中本丸の方を振り返りあらためて「義の武将」「軍神」と言われる上杉謙信に思いを馳せます。


近くの集落に戻ると「謙信坊や(正式な名称は分かりません、勝手につけています)」があちこちに登場します。頭のところの穴にパイプを通し仮の柵として使用したりしているものですが地元での謙信人気を表しているかと思います。
中屋敷バス停まで戻ります。休憩も入れて2時間半程度の行程、登山道も整備されており負担は大きくないと思います。観光シーズンでもない時期、平日の午前中ということを考えると結構人は来ているかな、が印象です。謙信ファンの方でしょうか、本丸で物思いにふけっている方もいらっしゃいました。
戦国武将として高い人気を誇る上杉謙信の居城で規模も大きく山城の状況をよく伝えてくれる春日山城阯、お城ファンの方はもちろん、ファンでない方も一度は訪れることをお薦めします。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)