大和路 今井町を訪ねて

国内旅

奈良県橿原市にある今井町、古い町並みが広い範囲できれいに残る奇跡の町と言われています。そんな今井町を訪ねました。
アクセスは近鉄橿原線八木西口駅から徒歩2~3分と良好。八木西口駅の隣が近鉄大阪線と橿原線が交わるターミナル駅の大和八木駅ですがそこからでも10分程度で歩けます。
レンタサイクルもありますが歩いて回ります。八木西口駅からスタート、駅を出ると案内板があります。

案内に沿って歩いていくとすぐに説明書きがあり、目印となる赤い橋、蘇武橋があります。

蘇武橋を渡ると今井町、雰囲気があります。
橋の横には良質の水が湧き出て日照りが続いても枯れることがなく人々の暮らしを支えた蘇武井という井戸があります。井戸の横を通り「今井まちなみ交流センター」を訪ねます。

今井まちなみ交流センターは昭和初期には役場として使われていた建物で、現在は資料館兼観光案内所として使用されています。江戸時代の町並み模型や歴史を紹介する資料が展示されており理解が深まります。また係の方がお勧めスポットや見学できる施設等の説明もしてくれます。時間があれば最初に訪ねていただきたい施設かと。
中尊坊通りを歩いて町のなかに入ります。まさにタイムスリップしたかのような町並み、重要文化財になっている高木家住宅があります。

今井町には重要文化財となっている住宅が多くありますが、現在も人が住んでいる住宅が多くそのため中は公開されていなかったり公開されているものの事前連絡が必要な住宅もあります。今なお多くの人々が暮らす町だからこその魅力がありますが住民の方に迷惑を掛けないように配慮は必要かと思います。

御堂筋という通りを歩いていくと称念寺というお寺があります。

浄土真宗本願寺派のお寺で本堂は重要文化財になっています。
今井町はこの称念寺の寺内町で16世紀中ごろには形成されていたとされています。織田信長と戦った石山本願寺に呼応、武装し信長に抵抗しましたがその後降伏、赦免されています。今井氏が世襲して僧侶と武士を兼ねていましたが、江戸時代に入り寺内町の存続を幕府が嫌ったことから武士を返上し、僧侶に専念するようになったようです。その後は幕府の天領となりましたが惣年寄という役職に任命された家が町政を担う自治が認められ、豪商が軒を連ねる商業都市として「大和の金は今井に七分」と言われるほど繁栄しました。
町の西側に復元された環濠があります。

今井町には防衛と水利を兼ね備えた環濠が巡らされていました。発掘調査が進む中でその一部が復元されたようです。
近くに春日神社があります。

創建年代は不詳とされていますが、明治時代の廃仏毀釈で廃寺となった常福寺の鎮守社だったとされる神社で、境内に旧常福寺の観音堂や行者堂があります。

神仏習合の痕跡が残る神社かと。
再び町中を散策します。

この今井町、電線の地中化が進められています。古い町並みが魅力のところを訪れて写真撮影をする際、電線の存在が残念に思った経験のある方は多いかと思います。電線が地中化されている通りは撮影スポットとしての魅力も大きいと思います。
北側に歩いていくと浄土真宗本願寺派の順明寺というお寺があります

順明寺の横を通り北口門跡から今井町の外に出ます。
少し足を延ばして入鹿神社と人麿神社を訪ねます。まずは入鹿神社ですが、案内標識がところどころにあるので見逃さずに歩いていけば大丈夫かと。今井町北口門跡からだと5分程度といったところでしょうか。

入鹿神社は全国で唯一蘇我入鹿を祀った神社。蘇我入鹿については歴史の授業で習ったと思いますが乙巳の変で中大兄皇子(後の天智天皇)と藤原鎌足に討たれた人物。

説明書きにありますが元々は普賢寺という真言宗のお寺の鎮守社であったと伝えられているようです。普賢寺についても明治の廃仏毀釈により廃寺となり正蓮寺というお寺が引き継ぎましたが、元は普賢寺の本堂であったとされる正蓮寺大日堂が境内にあります。堂内には重要文化財に指定されている大日如来座像が収蔵されています。
入鹿神社から人麿神社を目指します。10分弱で到着しますが道が少しわかりづらいので注意が必要です。

柿本人麻呂が生まれたとの伝承のある葛城市(奈良県)の柿本神社から分祀されたと伝わっているようですがこの地との関係性等は判っていないようです。ただ先ほどの入鹿神社やこの人麿神社といった歴史上の人名を冠した神社の存在に興味は湧きます。
人麿神社から15分程度で大和八木駅に戻り終了します。施設や公開されている住宅をどれだけ見学するかによりますが3~4時間の行程といったところでしょうか。

奈良県橿原市の今井町を訪ねました。全国最大規模の重要伝統的建物群保存地区で古い町並みがこれほど広いエリアに残っているところは珍しいかと。ターミナル駅の近鉄大和八木駅から徒歩圏とアクセスは良好、訪ねてみると「来てよかった」という気持ちが芽生えると同時に保存活動を理解し取り組んでいる人々に感謝と尊敬の思いを抱くと思います。奇跡の町今井町、是非訪ねてみてください。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)