有人最南端の島 波照間島

国内旅

最北端や最南端といったフレーズに心が動く人は多いと思います。日本の領土での最南端の島は沖の鳥島ですが一般人が行くのは現実的ではない島と言えます。人が住み一般人が行ける最南端の島、沖縄県八重山地方にある波照間島を訪ねました。
アクセスは石垣島から船で約1時間40分程度、飛行機もあるようですが毎日便がなく1日2便の船でのアクセスが一般的になります。ただこの航路は欠航が多いため注意が必要です。

天候は曇り、少し風が強く波も高め、心配しましたが船は運航され無事島に到着しました。乗船券は往復で購入しましたが宿泊の有無等のヒアリングを受け帰りの便の欠航の可能性についての説明を受けました。ちなみに利用した朝の便は運航されましたが午後の便は欠航になっていました。
島内移動は小さな島なので自転車、バイクでもいいかと思いますがレンタカーを利用しました。
ターミナルから少し走ると「忘勿石を望む丘」があります。

第二次世界大戦末期、波照間島の住民は軍の命令により西表島に強制疎開させられましたが疎開先はマラリアが流行しており、多くの島民が命を落とす悲劇となりました。教え子の多くを失った国民学校の校長が西表島を去る際、この事実を決して忘れてはならないとの思いから刻んだ「忘勿石」が西表島にありそれを望む丘として記念碑が建てられています。天候が良くなく、西表島は見えませんでしたが多くの人に知ってもらいたい戦争の悲劇を伝える遺構かと。
少し走るとコート盛があります。

異国船の監視や連絡の烽火(のろし)発煙のため設置された火番盛で国指定史跡になっています。
コート盛から集落が近いのですが通過し最南端を目指します。

最南端に到着、達成感がこみ上げてくるから不思議です。「日本最南端之碑」「波照間之碑」「日本最南端平和の碑」があり周辺は広場になっています。広場の一角に星空観測タワーがありますが季節的なものなのか入れないようです。
しばらく海を眺めていました。変化のない風景ですが全く飽きない、知らない間に時間が過ぎてしまう、そんな感覚です。
最南端を十分に味わったあとは集落に入ります。長田御嶽とオヤケアカハチ生誕の地を巡ります。

1枚目の写真が長田大主(なあたうふしゅ)を祀る長田御嶽で2枚目がオヤケアカハチ生誕の地。二人は波照間島生まれで石垣島で台頭したと言われていますが、アカハチが圧政に苦しむ民のため反乱を起こしたのに対し長田大主は鎮圧側に回ります。結果アカハチが討たれ鎮圧に貢献した長田大主は高い役職を得ることになりました。討たれたアカハチは長らく逆賊視されてきましたが庶民の英雄として見直されています。両方とも案内板等はなく、特にアカハチ生誕の地は注意して見ていないと通り過ぎてしまいます。
集落を散策した後シムスケー(古井戸)、下田原城跡を訪ねます。

シムスケーは水量が豊富で島の人々の暮らしを支えてきた井戸。
下田原城は15~16世紀には築城されていたと考えられ、琉球王国の統一の歴史を示す重要な遺構で国の史跡に指定されています。ただなかなか整備が進んでいないのが現状で訪れる人も多くないようです。貴重な遺跡かと思います、調査整備を進めていただきたいものです。
続いてニシハマに行きます。

曇り空のため鮮やかな「ハテルマブルー」とはいきませんでしたが白砂と青い海のコントラストは魅力的なスポットかと。近くに宿泊施設もあります。ニシハマの「ニシ」とはこの地方独特の方角の呼び方によるもので「北」を意味します。ニシハマとは言いかえれば「北浜」で確かに島の北側にあります。
続いて底名溜池展望台を訪ねます。

溜池の横にあり少し離れたところからでも姿は見えるのですが案内標識がなく道が少々判りづらいです。曇り空で少し風も強い天候でしたが展望台からの眺めは素晴らしいです。
最後に灯台と港の近くのイノーサヒを訪ねます。

面白いと思ったのですが灯台が海岸ではなく島の真ん中に近いところにあります。確認できた訳ではありませんが平らな島でこのあたりが標高が高いからなのではと考えられます。
行程を終え船に乗るため港に戻ったところ茅葺の遺跡のようなものが見えました。看板はなく頂いた観光マップにも載っていないのですがネット等で確認してみるとイノーサヒといって琉球王府時代の年貢の集積場を規模を小さくして再建したものだそうで、拝所としても利用されているようです。注意書きもないのですが拝所として利用されているとの記載もあったので、中には入らず外から見るだけにしました。 

有人最南端の島、期待を裏切らない魅力一杯の島です。石垣島から日帰りも可能ですが是非宿泊して最果ての島の魅力をゆっくりと味わうことをお薦めします。天候が良ければ経験したことのないような星空も見れると思います。
宿泊施設は数件あり売店もありますが、飲食店は休業日や営業時間をよく確認(特に夕食で利用する場合)、予約して利用されることをお薦めします。また波照間航路は季節にもよるようですが欠航のリスクを考慮する必要があるため、余裕のあるスケジュールで訪ねるようにしてください。(各種交通機関、宿泊施設、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)