愛知県知多半島と渥美半島に囲まれた三河湾には愛知三島と呼ばれる3つの離島、佐久島、日間賀島と篠島があります。そのうちの一つ篠島を訪ねました。
アクセスは名鉄河和線河和駅から徒歩7~8分の河和港から高速船が出ています。河和駅までは名鉄名古屋駅から急行利用で1時間弱で到着します。河和港よりさらに(知多)半島先端に近い師崎港からも高速船があり、距離的に近く船の運賃が安くなるのでこちらを利用する選択肢もあります。ただ車を利用しない場合は師崎港まではバス便でのアクセスとなるので注意が必要です。
河和港からの高速船を選択、名鉄河和駅から港を目指して歩きます。港までは案内標識を出してくれているので見落とさずに歩いていけば迷うことはないかと。


船は日間賀島を経由し一部の船は伊良湖まで行きますが1時間に1本程度あります。想像していたより便数も多く乗る人も多かったのですが、日間賀島に行かれる方のほうがかなり多かったようです。日間賀島の方が施設や飲食店が充実しているようですが名古屋から程よい距離、といったところは変わらないと思うので不思議な気はします。30分程度で到着です。


アップダウンはそこそこあるとのことですがすべて歩くのは少しきついと思うので自転車を借りることにしました。島の駅で借りれます。
漁港にはたくさんの漁船があり、集落は漁村風景が広がります。


篠島は鯛とふぐ、しらすが有名で水産加工場が多くあります。漁業が中心の離島を旅していると人口減や後継者不足もあり漁港には漁船がまばらで集落にも空き家が目立つところが多いですがこの島は漁船も多く若い人もそこそこいるようです。漁場に恵まれているということと都会に近く日間賀島ほどではないにしろ観光客が来るということもあるのかな、という気はします。
医徳院という寺を訪ねます。階段を上って行くので自転車は置いて歩いて行きます。


知多四国霊場(八十八ヶ所)の三十九番札所になっています。知多四国霊場とは四国霊場(八十八ヶ所)とは別に知多半島界隈にある弘法大師空海ゆかりの八十八ヶ所の寺院を巡礼するもので小豆島(香川県)、篠栗町(福岡県)とともに日本三大新四国霊場に数えられています。巡礼されている方が何人かいらっしゃいました。
医徳院から少し下ったところに帝井があります。


説明が書かれていますが南北朝の時代、後醍醐天皇の皇子義良親王(後の後村上天皇)が東征の際、暴風雨に遭い篠島に漂着、滞留されたおり飲料水として使用した井泉。
帝井からさらに歩いて正法寺を訪ねます。


知多四国霊場の三十八番札所、こちらも巡礼されている方が数名いらっしゃいました。このあたりは海岸線から少し中に入ったところで狭い道が入り組んでいて分りにくいのですが、地図を見ていたりしていると地元の方が「三十八番さんならこっち」とか声をかけてくれます。
海岸線に戻り自転車で移動、神明神社を訪ねます。


説明書きがありますがこの神明神社のお社は伊勢神宮から下賜される古材で造営、遷宮が行われているとのことです。伊勢神宮で20年に一度式年遷宮が行われているのをご存知の方も多いかと思いますが、その際発生する古材を使用しているとのことです。この神明神社も20年毎にお社の造営、遷宮が行われ古材は同じ篠島の八王子社に移されます。さらに20年後には島内の別の神社にということで60年間大切に使われるとのことです。
神明神社から東側の海岸線に移動しその八王子社を訪ねます。


神明神社で20年使われた古材を使用しているとのことですが、あまり違いは感じなかったです。
この八王子社と神明神社は正月に行われる祭礼が知られています。その軸となるのが八王子社に祀られているの男性神「オジンジキサマ」が神明神社の女性神の元へ「オワタリ」して翌日帰るというものです。その「オワタリ」は1月3日暗くなってから行われるようですがその様子は決して見てはいけないとのことで島中が停電になるようです。電力会社も協力しているようで、観光客もその時間は宿にいなければならないようです。「オワタリ」で通り道となる海岸では厄年の男たちや高校生などが舞を舞ったりする盛大なお祭りのようです。近年このようなお祭りを続けていくのが難しくなっている地域が多い中貴重な存在かと。
「オワタリ」の通り道となる海岸沿いを南に向かい清正の枕石を目指します。少しもやがかかっていますが陸地が見えます。途中恋人の聖地「ささやきの鐘」というのがあります。


海岸線から案内に従って内陸の方に入ると結構な上りになります。自転車から降りて押して上がりますが傾斜がきつく自転車を置いて歩くことにしました。
小中学校の横が清正の枕石と歌碑公園との分岐点になっていますが清正の枕石へは学校の中を通るようです。


春休み期間なので大丈夫かと思うのですが、学校のあるときもここを通るのか少々疑問は残ります。学校を抜けると山道になり少し上ってから海岸に下っていきます。
清正の枕石が見えてきました。


徳川家康が名古屋城を築く際、篠島に来た加藤清正が見つけ切り出そうとしましたが切り出せなかったと伝わる石。
来た道を戻り(アップダウンがあります)歌碑公園を目指します。




万葉に時代から篠島に関する歌が詠まれていてその歌碑が建てられています。松島が見えますが、この公園から見る松島にかかる夕日は「日本の夕日百選」に選ばれているようです。
歌碑公園から海岸線に戻り北に移動、松寿寺を目指します。自転車は上り口に置いて歩きます。


この寺は四国直伝弘法霊場(八十八ヶ所)の四十七番札所になっているようです。四国直伝弘法霊場とは先ほど訪ねた医徳院や正法寺の知多四国霊場とは別の霊場巡りで、このあたりの弘法大師信仰(いわゆるお大師さん信仰)の厚さを物語っているかと。
近くにある水神天宮を訪ねます。


水神天宮のある山は城山と呼ばれていて名前の通り源平合戦の時代城が築かれていたようです。


その後荒廃していましたが南北朝の時代、義良親王(後の後村上天皇、先ほど訪ねた帝井の水を使用された)が漂着した際、島民たちが修繕しここに迎え入れたと伝わっています。色んな碑があり色んな神様が祀られているようで、神聖な雰囲気が漂っています。
水神天宮から海岸線に下り自転車で港に戻ります。自転車を返却し行程を終了します。島の滞在時間は3時間と少々、自転車と徒歩を併用し予定していたところは回れたのかなといったところです。アップダウンがあり狭い道は突然階段になるところもあるため自転車で行ける範囲は限られますが平地部分の移動には有効と思います。
愛知県の離島、篠島を訪ねました。船の便数もあり飲食店や宿泊施設も多く思ったより賑やか、というのが第一印象です。美しい砂浜が続く海水浴場もありシーズンにはもっと賑わうのではと想像します。そんな篠島ですが歴史的な史跡の多い島でもあり伊勢神宮と関わりのある神社や弘法大師ゆかりの寺、後の天皇となる皇子に関する史跡もあります。そんな篠島を訪ねてみてはいかがでしょうか。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください。)
