日本で一番大きい湖と言えば滋賀県にある琵琶湖というのは大半の方はご存知かと思いますが、その琵琶湖に人が住む島があることは意外と知られていないかもしれません。それが沖島で滋賀県近江八幡市に属し淡水湖にある島としては国内で唯一住人がいる島です。またこの島、車のない島としても知られています。そんな沖島を訪ねました。
アクセスは近江八幡市の堀切港から船で10分程度で、船は1日10~12便程度あります。港までのアクセスは近江八幡駅からバスもあるようですが、本数が少なく車利用をお薦め。港から4~5分のところに駐車場があります。
平日でしたが船には20人以上の乗客、外国人観光客の姿もありました。10分程度で到着です。




港の前の漁業会館に売店があり自転車も貸してくれるようです。島の小学生が作った地図を協力金を払ってもらいます。自転車は借りず歩いて散策します。
湖岸道路と言われる道を歩きます。しばらく歩くと資料館がありますが平日は開いていないようです。さらに歩いていくと小学校があり前に案内標識があります。港から10分弱といったところでしょうか。


小学校には島外から通っている子供もいるようです。平日、授業中なので静かに前を通ります。
厳島神社(弁財天)を目指して歩きます。小学校から900mの表示、15分程度で到着します。




結構急な石段を頑張って上り参拝します。参拝の後は来た道を小学校まで戻ります。
小学校からは湖岸道路ではなく集落の中の道、ホンミチと言われるメインストリートを歩きます。島民の多くが漁業に携っている島、昼間寝ている漁師さんがいるとのことなので静かに邪魔をしないように歩きます。


車のない島の路地、ここを見れただけでも来たかいはあったと思います。未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産100選に選ばれているようです。何となく懐かしい気持ちになるから不思議です。
コミュニティセンターの横を通り港の西側にある奥津嶋神社を訪ねます。




沖島にまだ人が住む前、8世紀の創建とされる由緒ある神社。結構急な石段を上っていきますが、境内からは沖島の集落が見渡せます。
奥津嶋神社の後は集落の中にある西福寺を訪ねます。


沖島に人が住み始めたのは平安末期、保元・平治の乱で敗れた源氏の落人が島に流れ着いたのがはじまりと言われています。西福寺はその子孫の一人が室町時代、島に訪れた蓮如に帰依し庵を建てたのがはじまりとされ蓮如直筆の名号が残されているようです。
西福寺から願證寺を経て島の西側に出ると夕陽が美しいと言われる「あの桟橋」があります。


夕陽の名所ですがまだ太陽が高い時間、島民の方が干し物をしています。生活感がありこれもまた趣深いです。
対岸の湖西の景色を見ながら北に向かって歩いていくと桜のトンネルと言われるところがあります。


桜並木が続いており確かに桜の季節は見事だろうと想像できます。
浄化センターの前を過ぎると千円畑と呼ばれる畑が広がります。


諸説あるようですが1区画(3m四方)千円で買った畑でこう呼ばれているとのことです。野菜や花の栽培が行われているようです。千円畑を過ぎたところで行き止まりになります。
湖西の景色やカラーのマンホールを見ながら港まで戻ります。


港の前には「名勝 沖島」の碑、「漁村の碑」、「魚貝類供養塔」があります。漁業の島らしい風景かと思います。
港から船に乗り帰路につきます。16時の船で帰りましたが島外から島の小学校に通う子供たちと一緒になりました。
琵琶湖に浮かぶ有人の島、沖島を訪ねました。山に登るコースもありますが無理をせず海岸線を中心に回りました。3時間程度の行程といったところでしょうか。訪ねたのは梅雨の中休みで暑い日、少しきつかったですが気候が良ければ負担は大きくない行程と思います。
懐かしい漁村風景が残り、車も信号もないゆったりとした時間が流れる魅力一杯の沖島、是非訪ねてみてください。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください)