奈良大和路 西ノ京を歩く

国内旅

近年整備が進む奈良平城宮跡、その西側に西ノ京といわれるエリアがあります。世界文化遺産に登録された唐招提寺や薬師寺といった寺院があり、のどかな田園風景の広がるエリアには巨大な古墳も存在します。インバウンド需要もあり多くの観光客が訪れる奈良公園周辺に比べれば混雑は少なく落ち着いて散策できます。そんな西ノ京を歩いてみました。
アクセスは近鉄大和西大寺駅を出発点とし近鉄橿原線西ノ京駅をゴールとします。
駅南口から出ると早速案内板が目に入ります。まずは駅名にもなっている西大寺を訪ねます。

歩き始めるとすぐに西大寺の東門に到着しますが、門の向かいに西大寺石落神社という西大寺に関係する神社があります。説明が書かれていますが室町時代に作られたとされる本殿は春日見世棚造と言われるもので貴重なものだそうです。
西大寺に入ります。

西大寺は奈良時代の創建とされ当時は東の東大寺に対し西の大寺にふさわしい規模を誇っていたようです。平安時代になると災害などもあり衰退、その後復興しましたが、兵火による焼失等もありました。江戸時代になり幕府から寺領が認められ伽藍が整えられるようになったようです。
四王堂、本堂を拝観します。中には国宝や重要文化財が並んでいます。

東塔の跡の横を通り愛染堂を拝観します。

東塔は室町時代に焼失してしまったようです。
西大寺は奈良公園エリアの東大寺や興福寺に比べれば訪れる人が少なく落ち着いて見れますが、貴重な文化財の宝庫でもありもっと注目されてもいいのではと思います。
西大寺から菅原天満宮を目指し南に向かって歩きます。このあたりはまだ住宅地なので道が分かりにくく注意が必要です。20分ほどで到着します。

周辺は菅原道真の先祖である古代氏族土師氏の本拠地で、道真もこの地で生まれたとの伝承があるようです。境内に筆塚があります。
菅原神社からさらに南に進むと喜光寺があります。

説明書きによると、奈良時代行基によって創建された寺で当初は菅原寺と呼ばれていましたが聖武天皇が参拝された際、本尊より不思議な光明が放たれそのことを喜んだ天皇から「喜光寺」という寺号を賜ったとのこと。
境内には弁天堂や石仏が並んでいるところもあります。

弁天堂のご神体は「宇賀神王」、石仏は一つ一つ表情がちがい面白いです。寺の前には大きな道路(阪奈道路)が通っていて少々落ち着かない感じですが歴史的価値は高い寺かと思います。
阪奈道路を超えさらに南に向けて歩いていくと古墳が見えてきます。

垂仁天皇陵とされている古墳、かなり大きな古墳です。
このあたりまでくるとのどかな田園風景が広がります。夏本番、暑い日でしたが古墳を見ながら田園風景の中を歩くのはなかなか気持ちがいいです。
古墳から線路に沿ってしばらく南に進み左に曲がり線路を超えると唐招提寺の南大門に到着します。中に入ると金堂が見事な姿を現します。

歴史の授業で習った方も多いかと思いますが唐招提寺は苦難の末来日した鑑真和上が創建した寺。金堂は奈良時代の建立と伝わり天平の様式を今に伝える貴重な建物。うまく表現できませんが何とも言えない存在感、雰囲気があり、ずっと眺めていられる、そんな感じです。
金堂の奥に講堂があり、横には宝蔵、経蔵という校倉様式の建物が2棟並んでいます。

いずれも歴史のある建物で趣があります。
唐招提寺からさらに南に10分程度歩くと薬師寺の與楽門に到着します。

薬師寺の発願は7世紀後半(飛鳥時代)、天武天皇の時代。平城遷都に伴い現在の地に移転しましたが東西両塔を有する壮大な伽藍を誇っていたようです。しかしながら自然災害や戦火に巻き込まれ奈良時代の建物は東塔を残すのみだそうです。
主要伽藍の北側に玄奘三蔵院伽藍があります。

西遊記のモデルとなった玄奘三蔵はご存知の方も多いかと思いますが、その玄奘三蔵の遺骨の一部がここにおさめられています。日中戦争の時代、偶然発見された玄奘三蔵の遺骨の一部が日本に持ち帰られたとのことです。残念ながら中には入れませんでしたが西遊記のモデルとなった高僧の遺骨の一部が日本にあることに驚きです。
南門から外に出ると目の前に休ヶ岡八幡宮があります。

説明が書かれていますが、9世紀後半に創建されたとされる薬師寺を守護する神社。現在の本殿は豊臣秀頼によって再建されたものだそうです。
休ヶ岡神社からゴールの近鉄西ノ京駅に向かい行程を終了します。暑い中汗をかきながら頑張って歩きました。実際歩いている時間は1時間10~20分程度ですが、歴史的価値の大きい文化財が多く行程は3~4時間(見学の仕方による)といったところでしょうか。

奈良大和路の西ノ京エリアを歩きました。天平文化の面影を残し歴史的価値の大きい寺社が点在する魅力ある地域です。奈良公園周辺に比べると混雑は少なくゆっくり落ち着いて散策できます。西ノ京を歩いて天平のロマンを感じてみてはいかがでしょうか。(各種交通機関、各施設等の情報は公式HP等で最新のものをご確認ください。)